遺品の価値観
先日、お父さんを亡くした娘さんからのご依頼でお見積りをしました。
見積り後、色々なお話を伺って複雑気持ちになりました。
そのお父さんとは、幼少のころに蒸発し娘さんが30代半ばごろに再会したらしいのですが、当時のお父さんは、定職に就かず、酒とギャンブルに溺れ、再会間もなく生活費の無心をして来たそうで
す。それ以来、今まで『実の父』というだけで、色々な保証人や面倒を見てきた挙句、今回の孤独死による遺体撤去後の掃除、日用品の片付けをしなければならなくなったそうです。
正直、これで縁が切れるという思いで依頼されたようで、なるべくお金をかけたくないという事でした。
5rの趣旨である『遺族の気持ちに沿ってお手伝いを』という事より、娘さんはより安く早く片付けてほしい、遺品というより『ゴミの処分』という感覚でいらっしゃいました。
お父さんとの思い出を伺うと、いい話よりも苦労話しか、出てきませんでした。
それならば、不用品回収や便利屋のような価格を売りにしている業者がいいのでは？と提案しました。
後日連絡があり、不用品回収業者に依頼する旨の連絡を頂いたとき、『肉親でも事情によっては、惜しまれる死ではない場合もあるんだな』とこの仕事を改めて考えさせられました。
